晴れの日読書録

読んだ本の感想をのんびりと書いていく読書録です。

米澤穂信『夏季限定トロピカルパフェ事件』

夏期限定トロピカルパフェ事件 [ 米澤穂信 ]

価格:616円
(2016/11/14 20:09時点)
感想(26件)

「シャルロットだけはぼくのもの」の小鳩くんが好きです!(「シャルロットをもう一個食べたい!」という気持ちだけなら、小物臭のする小市民になれたのに…嗚呼、小鳩くん。)

見た目は小学生で、一見すると儚くも見える印象の小佐内さん。そんな彼女が幼い口調のまま牙をむくシーンの不思議な魅力に、小佐内さんの「狼」な面をもっと見たくなってしまいます。

恋愛関係でも依存関係でもない、友情とも言いがたい二人の「別れ」のシーンには、切なさや苦さには届かないけれど、それに近い何かがありました。

アイデンティティーの確立、ありのままの自分を受け入れたくない辛さ。いっそ傲慢でもいいじゃないか、と声をかけたくなります。

「あなたの前だと本性が出てしまう」とは、「あなたの前では本当の自分でいられる」。互いの「狼」と「狐」を認め合えれば、かけがえのない関係になれそうなのだけれど…そこにはまた「自分」という障壁が。

 

「狼」と「狐」、強く見えて苦しみもがく二人の行き着く先は何処でしょうか。