晴れの日読書録

読んだ本の感想をのんびりと書いていく読書録です。

【ネタバレ有り】『Story Seller』

Story Seller 面白いお話、売ります。 読み応えは長篇並、読みやすさは短篇並 ALL読み切り/伊坂幸太郎/新潮社ストーリーセラー編集部【2500円以上送料無料】

価格:907円
(2016/11/13 18:56時点)
感想(0件)

長編を読んで「好きだ-!」と思っている作家さんは、やっぱり短編でも面白いですね!

 

伊坂幸太郎「首折り男の周辺」は、久しぶりに小説を読む楽しさを味わわせてくれた作品。

言葉遣いの妙…他媒体では表せないカタルシス!

私の読み方が下手で見落とした伏線もあるかもしれないので、再読の価値有りです。

 

本多孝好「ここじゃない場所」はヒロインがイイキャラしすぎでした。

少し居たたまれない描写や唐突感はありましたが…ちょっと(どころではなく)変人な主人公のキャラクターで、隅から隅まで文章を楽しめました。

 

米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」は『儚い羊たちの祝宴』で既読。…だけど、こんなに印象的な話だったっけ!?

『儚い~』は似た雰囲気の作品が多かったため、埋もれてしまっていたみたいです。勿体ない。他の作家さんたちの作品に囲まれていると、凄く雰囲気が引き立って良いですね。大正ゴシック的な。

 

近藤史恵プロトンの中の孤独」は、描写にもう少し力強さが欲しかったです。近藤さんは透き通った少女を描かせると本当にさらさらのきらきらなのですが、ロードレースの話にはもっと暑苦しいくらいの骨太さが欲しいです。

 

 

※以下、物語のネタバレを含みます!!

 

 

そしてそして…今回一番のお気に入りは、道尾秀介「光の箱」!!

切ないバッドエンドかと思いきや一転、幸福なハッピーエンドでした!

道尾さんのバッドエンドかと思いきやハッピーエンド、悲しい事件を経ての温かい結末の描き方は本当に素敵。悲しみの後だからこそ輝く希望、道尾さんの描く希望は本当に温かい光に包まれています。

ちなみに作中童話の完成度も、小学校→中学校で表現力が上がっているのが素晴らしい…!

 

「読み応えは長編並」の売り文句に偽り無し!

収録作に好きな作家さんがいる人にもいない人にも、オススメの一冊です。